真壁郡郷土史(大正13年株式会社賢美閣発行)
 この本は各町村ごとの記述となり、まとまった「七羽黒」の記述はありません。項目を拾いながら転載します。

 まず、下館町の社寺の項です。
 羽黒神社祭神大己貴命。字大町にあり。長享元年(1487)刑部大輔水谷清有(が)出羽国羽黒大神を奉移し、城郭の周りに七祠を創立して以て勧請す。本社は即ち上館羽黒七社中の最首たり。明治4年郷社となり同6年4月村社に降格せられ同40年7月神饌幣を供進すべき神社に指定せらる。

 次に伊讚村の項に
 羽黒神社。村社にして稲倉魂命、玉依姫命を祀る。大字岡芹及び外岡に在り。下館城主水谷氏の奉祀せしものにして下館七羽黒の中に数えられる。
 竹島村の項には
 竹島神社。村社。祭神=稲倉魂命外9神。大字川澄字村合にあり。其の他、大字小林に八幡神社。大字横島に御霊神社。大字高島に鹿島神社。大字同所に神明宮。大字市野辺に羽黒神社。大字直井に星の宮神社あり。
 さらに中村の項には
 雷神社。村社にして大字樋口に在り。祭神は別雷命なり。寛治中、源義家の創立せしものと伝えられる。天文の頃下館城主水谷氏の樋口城を築くに当り本殿を再建せりと云う。其の他、天満宮は折本に、羽黒神社は大字口戸にありて下館七羽黒の一に数えられる。

 以上の他は記述がみつからず場所が特定できません。
この本では勧請者が水谷清有となっていて、時期も長享元年で、下館市史や下館町郷土史と異なっています。
 この水谷清有は「水谷蟠龍斎伝」によれば、勝氏の6代先祖で水谷氏がまだ磐城にいた頃の人のようです。ところが長享というのは文明年間より新しく、記述が矛盾しています。
 また、この本では竹島村の市野辺に羽黒神社がある事になっています。外岡は外塚の誤植でしょうか。下岡崎の記述も探しましたが見つかりませんでした。



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