下館町郷土史(昭和15年下館町役場発行)
 下館町郷土史「第10章下館の社寺舊蹟 一神社 郷社羽黒神社」の項に下記の記述があります。

 文明10年水谷左近将監勝氏下館築城後、文明13年領内安堵のため日頃崇敬する出羽国羽黒大神を勧請し、古式により下館を中心とし下館城の鬼門に当る大字稲野辺に、風門に当る大字下岡崎に、病門に当る外塚村に、天門に当る岡芹村に、計五の羽黒神社を創立した。(中略)
 其の後数代を経て名君正村のとき上館城を築き城の鬼門に当る大字大根田村に、其の病門に当る口戸村に二つの羽黒神社をさらに創立した。其の後世人は七羽黒と云った。最初から七羽黒と云ったものではない。
 下館羽黒神社は、所謂七羽黒筆頭の神社として特に崇敬篤く水谷家の武運長久、領内安全、子孫繁栄を祈願した。

 下館町郷土史では、鬼門の方位にある羽黒神社は稲野辺になっていますが、それ以外は文明年間に勝氏が勧請した事も含めて、下館市史と同じで、市史がこの本を下敷きにした事がわかります。


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